平成一一年(行ウ)第一三号
北海道旧土人共有財産等返還手続無効確認請求事件
準 備 書 面(
A)口頭陳述注1 <書面の言い換えで書面文書表現>
注2 {書面には無く口頭}
原 告 小 川 サ ナ エ
外二三名
被 告 北 海 道 知 事
平成一二年二月一〇日
原告ら訴訟代理人
弁護士 房 川 樹 芳
外六名
札幌地方裁判所
民事第三部合議係御中
記
本裁判に係る知事公告にあります番号
4全道旧土人教育資金につきまして被告知事に対してお尋ねしたいこと<義>がありますので
以下に申し述べます。
一 当該財産はその名称の示すとおり「全道アイヌ<旧土人>」に
託されたものであると判断いたします。従いまして、公告におけ
るその他の地域あるいは村落を限定して指定された共有財産とは
性格を異にしたものでありますから継承者の認定ついてもそれら
と異なつた扱いをされることがふさわしいと考えます。つまり、
財産継承を申請しなくとも本人がアイヌ民族に属するものである
ことを自認しあるいは他の血族同胞がアイヌ民族に属すると認め
るものすべてにこの財産は帰属するべきであると考えます。
従って、この財産について個人が継承者であることの申請をす
るように求め、かつ知事において認められた者の間でのみ分割し
取得することは本財産設定の趣旨に反する不適切な扱いであると
考えます。
以上の判断が知事におきまして誤ったものとされるならばその
理由をお示し願います。
{アイヌ民族全体の仲間みんなに返されるべきものと考えます。}
二 当該財産が北海道庁長官において指定されましたのは明治三十
二年十月三十一日(庁令第九十三号)でありましたが、公告では
昭和六年十二月二十四日(庁令第五十三号)となつております。
何故に原初の指定に従って公告しなかったのかその理由をお示し
願いたい。
三 「旧土人に関する調査」(北海道庁内務部編大正七年六月)には
「明治天皇より明治十六年に下賜された金一千円及び翌十七年文
部省より下付された金二千円を基本として積み立てられたもの」
と記載されている北海道庁長官の保管になる共有財産が見えます
が、この一件が当該財産の原資であると考えて宜しいか確認願い
たい。
またそうであるとしたら明治三十二年指足時のその他の原資が
いかなる項目からなり、各何円であつたものかを運用の経過とと
もに示していただきたい。
四 明治三十二年の指定時には公債証書及び現金で六千二百六円と
ありましたが公告によると昭和六年十二月現在でも全く同額の六
千二百六円となっております。この問およそ三十二年が経過して
おりますのに全くの同額であることが奇異に感じます。この間の
運用経過を示す文書とともに昭和六年つまり公告の金額が誤りの
ないものであることをお示し願いたい。併せて、前記「調査」に
「大正六年三月末現在高一万千百十八円五十三銭八厘と記されて
いるものは本財産のことであるかどうか確認願いたい。
仮に「調査」の記載が当該財産に当たるとして、昭和六年、大
正七年及び昭和五二年(「北海道旧土人共有財産管理状況明細書」
厚生省所管・保管者北海道歳入歳出外現金出納官吏)の該当財産
五万九千八百九十八円が合理的かつ誤りなく連続しているもので
あることを説明願いたい。
また、終戦後等における貨幣価値の切り替えがありましたがこ
れに対して財産価値保存のためにいかなる措置が知事においてな
されたか説明願いたい。
五 当該財産がアイヌ民族の子どもの就学や育英のためにどのよう
に運用されたのか関係書類とともに実績の全貌をお示し願いたい。
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原告伊藤稔氏の準備書面(B)の引用
{次ぎに}知事は公告に記載した共有財産一八件が管理するところ
のすべてのものであるとしていますが、かつて共有財産として指
定されあるいは運用されていた共有財産のうちその存否が不明の
ものがありますのでこれに関してお聞きします。
「北海道庁内務部編の旧土人に関する調査」 (大正七年六月)
(以下「調査」という)には札幌支庁長の管理する共有財産とし
て、石狩郡石狩町、札幌郡江別町及び厚田郡厚田村に合わせて八
ヶ所価格金一千円の漁場がありました。これは明治三五年庁令一
五九号によってし指定されたものとされております。私どもの調
べではこの運用並びに再指定あるいは「廃止」の経過が不明であ
りました。この点につき平成十年十一月三十日付「北海道旧土人
保護法に基づく共有財産を考える会」世話人代表小川隆書名で質
問いたしました。
これに対する貴職の回答は昭和九年発行「北海道旧土人保護沿
革史に依拠し「北港道庁長官は樺太庁と協議し大正一四年に財産
の処分に着手したとされておりますことから、このころまで管理
していたものと考えております。」というものでした。
「沿革史」は北海道庁の発行になるものの一私人の編纂による
ものでありますから共有財産管理者である知事がこうした出版物
に依拠して自己の管理する共有財産の経過説明をすることはきわ
めて無責任であると考えます。
改めてお願いしたい。知事の保管する書類をもってこの漁場の
管理経過を示していただきたい。その際、推量ではなく漁場の漁
業権移転等がある場合には明確な証拠をもって説明願いたい。
*
{平成12年2月4日付、被告側の準備書面(二)にはこの様に書か
れています。「被告は共有財産返還手続きに当たり、それまで被告が
管理していた共有財産について、その指定経緯や改廃状況を十分に調
査した上で、返還の対象となるすべての共有財産を公告しているので
ある。」これが本当なのでしょうか。私たちが当事者照会で知事に質
問しておりますが、沢山の疑問があります。
には北海道旧土人保護法制定以後最初の制定(明治32年10月31
日)の10件のうち、室蘭郡絵鞆村旧土人共有、金40円が抜けてい
ます。
、その後どうなっていますか。調査をされたい。
かかわらず、理由はどうあれ、その見直しが全然考えられないのは、
全く納得が出来ません。
私のフチは入れ墨を入れた口から言葉が湧き出るように、「この顔忘
れるな」「アイヌプリおぼえれ!」と。フチはアイヌでありたいと思い
、幼い私が胸が詰まるほど、フチの心が伝わりました。全国のアイヌ民
族は、今回のこの裁判をかたずを飲んで見守っております。アイヌの歴
史が、どんなに虐げられてきたものであるか。その中でつくられてきた
財産であるということを正確に判断して、裁判長の立場で公正な判決を
出していただくよう強く望んでいます。}
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