平成一一年(行ウ)第一三号
北海道旧土人共有財産等返還手続無効確認請求事件
準 備 書 面(B)
原 告 伊 藤 稔
外二三名
被 告 北 海 道 知 事
平成一二年二月一〇日
原告ら訴訟代理人
弁護士 房 川 樹 芳
外六名
札幌地方裁判所
民事第三部合議係御中
記
本裁判に係る知事公告(平成九年九月五日付)につきまして被告
知事にたいしてお尋ねしたい義がありますので以下に申し述べます。
一 知事は公告に記載した共有財産一八件が管理するところのすべ
てのものであるとしていますが、かつて共有財産として指定され
あるいは運用されていた共有財産のうちその存否が不明のものが
ありますのでこれに関してお聞きします。
「北海道庁内務部編の旧土人に関する調査」 (大正七年六月)
(以下「調査」という)には札幌支庁長の管理する共有財産とし
て、石狩郡石狩町、札幌郡江別町及び厚田郡厚田村に合わせて八
ヶ所価格金一千円の漁場がありました。これは明治三五年庁令一
五九号によってし指定されたものとされております。私どもの調
べではこの運用並びに再指定あるいは「廃止」の経過が不明であ
りました。この点につき平成十年十一月三十日付「北海道旧土人
保護法に基づく共有財産を考える会」世話人代表小川隆書名で質
問いたしました。
これに対する貴職の回答は昭和九年発行「北海道旧土人保護沿
革史に依拠し「北港道庁長官は樺太庁と協議し大正一四年に財産
の処分に着手したとされておりますことから、このころまで管理
していたものと考えております。」というものでした。
「沿革史」は北海道庁の発行になるものの一私人の編纂による
ものでありますから共有財産管理者である知事がこうした出版物
に依拠して自己の管理する共有財産の経過説明をすることはきわ
めて無責任であると考えます。
改めてお願いしたい。知事の保管する書類をもってこの漁場の
管理経過を示していただきたい。その際、推量ではなく漁場の漁
業権移転等がある場合には明確な証拠をもって説明願いたい。
二 前記「調査」によれば支庁長町村長及び組合長の保管に属する
共有財産が相当数記載されている。これらの管理費任は最終的に
は北海道長官(知事)に帰着するものであると考えますがいかが
か。
三 同「調査」に浦河支庁長管理のものとして「沙流郡旧土人共有
財産」があり明治天皇が一四年に北海道巡幸した際の下賜金を原
資とするものであつたが「火災のため関係書類消失し従って御下
賜当時の金額不明なり」と記載がある。
私はたとえ書類が消失されたとしても天皇の下賜にあたる金額
が不明となるとは考えられません。また、書類が消失しても財産
が消失したわけではないと考えます。同種の例は河西支庁にもあ
る。これらに関して証拠書類をもってその後の経緯を説明願いた
い。もしそれができない場合には管理者としての見解をお聞きし
たい。
以上
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